第372章

村上美咲はしばらくじっと見つめていたが、やがて口を開いた。

「ねえ、女の子はいないの? どうして男ばっかり? 女の子だって目の保養になるのに。特に芸能界の子なんて」

「女性は午後よ」

 前田南は淡々と答えた。

 村上美咲はそれ以上何も聞かず、再び真剣に審査に戻った。

「この人はちょっと微妙ね」

 前田南は、目の前で特技を披露している男を見ていた。

 ルックスはいまいちだが、演技力は確かだ。見ればすぐに、相当な努力を積み重ねてきたことがわかる。この二日間、山のような履歴書に目を通したが、容姿端麗な人材は一人もいなかった。演技派を確保しておくのも悪くないだろう。

「この子、採用し...

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